宙組公演「カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~」ムラがもうすぐ終わる

宝塚大劇場公演はあと5回しか見られない(3日間なのに!?)。サヨナラショーや退団セレモニーを終えたらボンドの記憶はすべてなくなると思われるため、とりあえず感想を書く。「95分にまとめてショー付けろ」は来年も言ってる。

 

好きなところ:全衣装が似合う、オープニング(特に登場)、異常にキザなデルフィーヌとの出会い、アタッシュケース機関銃を色んなポーズでぶっ放してくれる、スタイリッシュ吸い殻ポイ捨て、偉そうに金欠を歌うルシッフル、小気味良いリズムでおちゃらけるゲオルギー、キスが上手いと褒められうれしそうなボンド、柵をひょいと超えるところ、ワラワラ1幕ラスト、白タキシードで見得を切って「Bond, my name is Bond」♪、ロマノフ衣装(黒)、バーンと脱いで黒革ジャンタートルネック黒パンツ天才、髪乱れボンドさん、ボンドの頭引っ張って持ち上げる兵士ののあん、まかキキの高速テクニカル立ち回り、全身茶色衣装、「Adieu君に会えてよかった」、フィナーレまかキキ・すしキキ、フィナーレソロダンスの真風さんが楽しそうなの感動する

おもろいところ:ルネの「影のヒーローなのさ」をかっこつけすぎだと笑うのにその後「Hero in the dark」を歌い上げるところ、ヴェスパーがアプローチ可能か判定しているところ(?)、クソゲーバカラで息切れするところ、スパイなのにたくさんの人の前で「MI6のAgentだ!!」と叫ぶところ、金がないのに学生囲い込んで衣食住の面倒見てるルシッフル(先にやることあるだろ)、カジノで銃撃戦をするのにその後も通常営業されているところ、拷問の傷がすぐ治るボンド、部下ファーストのイリヤバカラを見守る周りのダンス、歌唱指導のイルカ

惜しいところ:スパイになった経緯を語る相手がヒロインではなくスパイ仲間、ボンドルシッフル間感情もっと欲しい、デルフィーヌはなぜ第一相続者に指名されたか言及がない、ミシェルの顛末がやや雑、デルフィーヌの決断も雑、せっかくボンドを拘束するのに拷問場面はやらない、イルカでデュエットを1曲消費、「皇帝ゲオルギーは立ち上がる♪」が天丼ネタなのにすっしー退団のメタ要素が勝ってしまう、フィナーレがあっさり

ダメ:やっぱり悪のカリスマとしてヒトラーをポップに消費するだけで何も回収しないのはダメだと思う

 

ボンドとデルフィーヌのラブよく分からないな~と思っていた件については「ボンド映画はボンドのかっこよさとアクションと束の間のラブロマンスを楽しむもの」「ボンドは美人好き」「物語は5日間(たぶん)のできごと」「デルフィーヌはまだ大学生で引っ張ってくれる系の男性が好き」などを考慮すると、そりゃあ、まかジェームズのように信じられないくらいかっこよくてミステリアスな美男子がグイグイ来て自分に好意を示してきたら気になっちゃうし、守ってくれるし、強いし、高級リゾートからのつり橋効果の雰囲気込みで恋が燃え上がるに決まってると納得した。ボンドが気の強い美人女子大生(実はプリンセス相当)をかわいく思うのは、ちょっとキモいけど気持ちはよく分かるし、ビジュアルと声が真風涼帆さんなのでちょっとキモくても許される。

 

「ボンド映画はボンドのかっこよさを楽しむもの」という観点でいうと1000000000点だし。

 

芝居を解釈する知識がないわりに頭でっかち観劇者のため、あれこれ言ってしまうのをどうにかしたい。とはいえ、とにかくボンドがかっこよくてルシッフルが変で全体的に明るくて最終的にキラキラで締めてくれて楽しい。ラスト3日はひたすら感情で観劇するぞ!